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第173回 キラキラネームと名の変更

H27.7.14 小野 法隆

「キラキラネーム」というのは、アニメのキャラクターや海外映画の登場人物などのカタカナの名前に漢字を当てはめたような場合をはじめとして、一般に難読または珍奇な名前を指しますが、どちらかと言うと、マイナスのイメージで取り上げられることが多いようです。

もちろん、珍しい名前は、人に覚えてもらえやすい、いろいろな場面で自分の個性を主張しやすい、といったプラス面もありますし、親としても、名前への強い思い入れがあって、子供への愛情の表現としてキラキラネームを付ける場合が多いでしょう。

ただ、キラキラネームの使用によって、読みに混乱を来したり、嘲笑やいじめの対象になったり、就職活動の際に不利になるなど、実際に社会生活上の支障を生じる場合には、戸籍法107条の2の規定に従って、家庭裁判所の許可を得て、「名」の変更手続きを行うことができる場合があります。

「氏」の変更の手続きについては、実際に一番多いのは、父母の離婚に伴って母親が旧姓に復したのに、母親に引き取られた子供の氏が父親の氏のままだと、生活上不便なので、母親の氏に合わせるように変更するような場合であり(民法791条。第172回 夫婦別姓(氏)について)、一般に広く知られているところです。

これに対して、「名」の変更の手続きは、むしろマイナーな存在であり、現実例としては、珍名・奇名・難読の場合や、伝統芸能などで世襲名を戸籍名にする必要がある場合(例:〇〇衛門)、性別を変更したため名前からは食い違った印象を与えることとなった場合、芸名・ペンネームの長年使用の場合などが正当な理由として認められる傾向にあります。

逆に、姓名判断や信仰上の理由からの変更は、それだけでは正当理由として認められませんが、学校や各種団体の名簿や年賀状・電話帳などの資料で長期の使用が証明できれば、正当理由ありと認められる場合があります。

なお、キラキラネームの場合、一般的な漢字の読みと食い違う読み方をすることも多く、例えば「太郎」で「ジョニー」と読ませることも可能です。ただ、読み自体は戸籍上の届出事項ではありませんので(戸籍法50条)、もしも漢字の「名」はそのままで、別の読み方を希望する場合には、特に家庭裁判所の許可を得ずに市町村の住民票担当部署に住民票上の読み(フリガナ)の変更を申請することができます。

また、最近は、自分の名前でネット検索すると色々な関係ワードでヒットすることがあり、別に有名人でなくても、プライバシーが公衆の目にさらされることがあります。その場合に珍しい名前であれば、個人の特定が容易な分、危険が増します。親としては、子の健やかな成長を願うだけでなく、将来は、子供の名前がネット世界の隅々にまで広がっていくのだという覚悟をもって名づける必要があるように思います。

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