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第174回 IPBA年次総会報告

H27.7.30 村尾 卓哉

2015年5月6日から9日までの4日間,香港で開催されましたIPBA年次総会に参加してまいりましたので,その内容を報告いたします。

  • IPBAとは

    IPBAとはInter Pacific Bar Association(環太平洋法曹協会)の略称で,アジア・太平洋地域で活躍する法曹が中心となって組織する法曹協会です。毎年1回,アジア・太平洋地域の各地域でIPBAの年次総会が行われ,アジア・太平洋地域の弁護士のみならず,ヨーロッパや南米等,全世界の弁護士が一堂に会する一大イベントとなっています。

    当事務所では,2011年の京都大会から継続して,年次総会に参加しており,他国の弁護士と交流する貴重な機会となっています。

  • 年次総会について

    年次総会が毎年1回,大々的に行われることは既に述べましたが,結局,何をするのだろうという疑問をお持ちかと思います。一般的な,いや,理想的な年次総会@香港の過ごし方を述べたいと思います。

    (1)  まず朝,覚醒しきっていない体に鞭を打って,ホテルからIPBAの朝食会場に向かいます。朝とはいえ,不快指数が高い香港でスーツは辛いものがあります。朝食会場では,隣に座った中国の弁護士と「昨日はよく眠れたか」等といったたわいもない話をしつつ,徐々に頭を覚醒させます。他国の弁護士との共通言語は,当然英語です。多くの弁護士がまだ夢の中なのか,朝食会場の人はまばらです。朝食後は,海事法委員会のセッションに出席し,シップファイナンスの各国の動向について,韓国,香港,シンガポールの弁護士からの発表を聞きます。1時間半のセッション後,コーヒーブレイクがあります。セッション会場の外に設営された休憩場で,コーヒーとお菓子をつまんでいると,昨年の年次総会で仲良くなったカナダの弁護士に会い,再会を喜びながらしばし談笑します。コーヒーブレイク後は再び海事法委員会セッションに参加します。ようやく午前中は終了です。

    (2)  息つく間もなく,昼食会場に移動します。昼食会場では,日本で活躍する有名な渉外弁護士の隣になりました。ここぞとばかりに仕事の秘訣を根掘り葉掘り聞きます。昼食の後は,環境法委員会の社会科見学に参加します。香港の行政機関が行っている「ゼロ炭素ビル」というプロジェクトを見学し,二酸化炭素を実質ゼロにする試みについて,実地で体験します。

    (3)  これで全てのセッションが終わりました。時計を見ると既に17時です。しかし,年次総会は,ここからが本番と言っても過言ではありません。年次総会のメインイベントである夜のパーティ(ディナー)が控えているからです。毎年,ホスト国が威信をかけて,様々な趣向を凝らしたパーティが開かれますが,今年はなんと香港ジョッキークラブで行われるということです。会場は,競馬場を一望できるテラス席で,この日行われるレースにお金も賭けられるようです。朝,目が覚めた時に鳥が鳴いていたからという理由でアーネストリに貴重なお金をつぎ込み,東京競馬場で涙を流した修習時代を思い出しますが,「香港なら当たる気がする」という根拠のない自信で馬券を買います。当然,外れます。レースをテラス席で眺めながら,馬券を買っていた韓国の弁護士と競馬の話で盛り上がります。夜のパーティは,酒が入るため,自然,カジュアルな話が多くなります。色々なグループと酒を飲み交わしていくうちに,酒がまわり,すっかり気持ちよくなってしまいました。パーティが始まってから3時間,ようやくパーティはお開きになりました。既に時計の針は10時を指しています。少しふらつく足でなんとかホテルの部屋までたどり着くと,そのまま深い眠りに落ちてしまいました・・・

    以上が,年次総会の極めて理想的な一日の過ごし方です。年次総会では,あらゆる場面で他国の弁護士と交流することが想定されており,またそれがこの会議の一番の目的と言えます。なんとなく雰囲気だけは感じていただけたでしょうか。

  • 田中弁護士のスピーチについて

    今回,当事務所の田中弁護士が年次総会の海事法委員会セッションにて,日本の海事法(商法)改正について,スピーチいたしました。海商法は,成立時から改正がされておらず,現状とそぐわない部分が多数存在するため,改正の必要性が叫ばれていたという改正の経緯やこれまで定義規定がなかった概念の定義規定の新設や複合運送契約に関する条項の新設等,大幅に修正されることになることを説明いたしました。参加者からは,多数の質問があり,他国も海商法改正に大いに関心を寄せていることがうかがわれました。

  • 香港の法律事務所への訪問について

    この機会を利用して,当事務所と関係のある香港の法律事務所にも訪問いたしました。

    手塚弁護士が日弁連と香港律師会のインターンシッププログラムとして研修していたW.K. To & Co法律事務所(第170回コラム「香港インターン報告」をご参照ください)や同プログラムで当事務所が受け入れた香港の弁護士が所属しているFred Kan & Co法律事務所,海事事件の関係先であるTsui & Co法律事務所及びReed Smith法律事務所を訪問し,相互に意見交換を行いました。

  • 最後に

    IPBA年次総会に参加することで,海外の弁護士との人脈が広がることはもちろんですが,海外の弁護士の貪欲な姿勢や意欲に触れ,仕事に対するモチベーションが大いに向上することが一番のメリットだと考えています。これからも当事務所は,世界各国の弁護士との人脈やそこで得た知見をクライアントの皆様に還元できるよう努力を続けていきたいと思います。

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