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第21回 マイホームを売却したときの確定申告

H22.2.19 林 智子

私は,税法務に興味を持っており,日々,税金について勉強しています。
今回は,確定申告のシーズンということで,

『マイホームを売却したときにかかる税金』をテーマにお話をしたいと思います。

個人が土地や建物を売って利益が出た場合には,「譲渡所得」という所得が発生します。
課税譲渡所得の計算方法は,

譲渡価格 −(取得費+譲渡費用)− 特別控除 = 課税譲渡所得

です。

ところで,譲渡の対象がマイホーム(居住用財産)である場合,以下のような特例を受けられる場合があります。

  • マイホームを売って譲渡益がある場合

    (1)3,000万円の特別控除の特例

    マイホームを売って譲渡益がある場合(例えば,1,000万円のマイホームを5,000万円で売った場合),一定の要件を充たすと,課税譲渡所得の金額を計算する上で,最高3,000万円が控除されます。
    ただし,譲渡所得が3,000万円に満たない場合には,特別控除額は,譲渡所得の金額が限度となります。

    (2)軽減税率の特例

    また,売った年の1月1日現在で,そのマイホームを所有していた期間が10年を超えているなど一定の要件を充たした場合,(1)の特例を適用した後の課税譲渡所得金額に対して,次のとおり軽減された税率で税額を計算することになります。

    課税長期譲渡所得の金額 所得税 住民税
    6,000万円までの部分 10% 4%
    6,000万円を超える部分 15% 5%

    (3)買い替え(交換)の特例

    マイホームを買換えた場合,売った年の1月1日現在で,所有期間10年超,居住期間10年以上の場合など,一定の要件を充たした場合,その譲渡益の課税を将来に繰り延べる特例を受けることができます。
    但し,上記(1)の特例と(3)の特例とは,選択適用となっています。

  • マイホームを売って譲渡損失が生じた場合

    マイホームを売った年の1月1日現在で,所有期間が5年を超えるマイホームの譲渡損失が生じた場合(例えば,5,000万円で購入したマイホームを2,000万円で売った場合)には,次の i 又は ii により,その譲渡損失の金額をその年の他の所得と損益通算できます。損益通算とは,2種類以上の所得(例えば,譲渡所得と不動産所得)があり,1つの所得が赤字,他の所得が黒字といった場合に,その所得の赤字と他の所得の黒字とを,一定の順序にしたがって,差引計算を行うというものです。
    また,その年で損益通算しきれなかった場合には,損益通算しきれなかった金額について,その年の翌年以後3年内の各年分(合計所得金額が3,000万円を超える年分を除きます。)の所得から繰り越して控除することができます。

    i 新たにマイホームを買換える場合の特例

    マイホームを買換え,年末に,その新たなマイホーム購入についての住宅ローン残高がある場合,一定の要件の下で,売ったマイホームの譲渡損失の金額について,損益通算及び繰越控除をすることができます。

    ii 新たにマイホームを買換えない場合の特例

    マイホーム譲渡契約締結日の前日において,住宅ローン残高があるマイホームを売った場合,一定の要件の下で,そのマイホームの譲渡損失(住宅ローン残高からマイホームの譲渡対価の額を控除した残額を限度とします。)の金額について損益通算及び繰越控除をすることができます。

以上,マイホームを売却した際には,様々な特例をうけることができますが,これらの特別控除を受けるためには確定申告が必要です。所得税の確定申告は,3月15日までです。お忘れなく。

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