ホーム > コラム > 一般民事法 > 災害関連 > 第56回 被災者の方々に対する生活再建支援制度

コラム

コラム

第56回 被災者の方々に対する生活再建支援制度

H23.4.1 林 智子
  • このたびの東日本大震災におきまして,被害を受けられた方々には心からお見舞い申し上げますとともに,被災地の一日も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。
  • 被災者生活再建支援制度

    本日は,被災された方々が,今後,生活再建をするにあたって,受けることのできる支援制度についてご説明します。
    災害に関連する法律はいくつかありますが,その中で,被災者の生活再建に対する財政支援を規定した法律として,『被災者生活再建支援法』という法律があります。

    東日本大震災により,被災者の方々は,今現在,炊き出し等によって食べ物が供給され,被服,寝具等が給付または貸与されています(これは,『災害救助法』という法律に基づいています。)。しかし,その後,復興の段階に至ると,公的な支援は少なくなり,被災者の方々が自力で生活を再建する必要が生じてきます。平成7年に発生した阪神・淡路大震災では,自力での生活再建が困難な被災者が大勢存在しました。このような被災者に対しては,従来から,低利で資金融資を受けることができる制度がありましたが,返済能力のほとんどない被災者は,借入れをすること自体が難しいという状況でした。このような状況を受けて,平成10年5月,『被災者生活再建支援法』が成立しました。

    当初は,自然災害により生活基盤に著しい被害を受けた者が自立して生活再建をすることが困難である場合に限定して適用されていましたが,平成16年,平成19年の改正を経て,現在は,以下のような制度となっています。

    ◆ 制度の概要 ◆

    (1)  対象となる自然災害
    対象となる自然災害は,例えば,10世帯以上の住宅が全壊する被害が発生した市町村における自然災害がこれにあたり,具体的に定められています。東北地方太平洋沖地震はもちろん,長野県,新潟県,内閣府は,3月12日に発生した長野県北部地震についても本法が適用されると発表しました。

    (2)  対象となる被災世帯
    対象となる被災世帯は,(1)の自然災害により,

    i 住宅が「全壊」した世帯
    ii 住宅が半壊,又は住宅の敷地に被害が生じ,その住宅をやむを得ず解体した世帯
    iii 災害による危険な状態が継続し,住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
    iv 住宅が半壊し,大規模な補修を行わなければ居住することが困難な世帯(大規模半壊世帯)

    です。

    (3)  支給金額
    支給額は,原則として,i 住宅の被害程度(上記(2))に応じて支給する支援金(基礎支援金)と,ii 住宅の再建方法に応じて支給する支援金(加算支援金)の合計額であり,これについても具体的に定められています。例えば,住宅が全壊し,新たに住宅を建設・購入する場合には,i 住宅の被害程度が「全壊」であることにより金100万円,ii 住宅の「建設・購入」という再建方法により金200万円の合計金300万円が支給されます。

    (4)  その他
    支援金については,使途を限定されない定額渡し切り方式です。また,支給を受けるための年収や年齢の制限もありません。

  • おわりに

    東日本大震災の復旧・復興に向けて,政府からは,平成23年3月31日,東日本大震災復旧復興対策基本法の骨子が出されています。その中では,被災者生活再建支援法に基づく支援金の増額等の改正の実施が盛り込まれており,上記2(3)の支給金額よりも増額される可能性があります。
    支援金の申請窓口は,市町村です。申請時の添付書類,申請期間等につきましては,内閣府防災情報のページをご確認ください。

    http://www.bousai.go.jp/hou/shiensya.html

このページの先頭へ