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第63回 「上海交通大学法学院・キャスト・東町―グローバル企業法務シリーズ講座」最終講義

H23.6.21 上谷 佳宏

当事務所は,弁護士法人キャストと共同で,中国の上海交通大学法学院において,「上海交通大学法学院・キャスト・東町―グローバル企業法務シリーズ講座」を寄付講座として開設することに協力し,世界的に著名な日本企業の法務責任者や国際法律業務経験を有する専門家等を派遣して,企業の市場における運営およびコーポレートガバナンス等の分野の法律的実務経験に関する講演を継続的に実施してきました。

この講座の回数は,25回に及びましたが,この度,財団法人日本経済団体連合会が,同大学において,法務分野での人材育成を目的として「日本経団連 企業法務高級講座」を開講することとなったことに伴い,本年4月19日上海交通大学で行われた第25回講義をもって終了することとなりました。

弁護士法人キャストと弁護士法人東町法律事務所というふたつの法律事務所が播いた種が,日本経団連という新たな担い手によって大きく育ち,同大学においてグローバルビジネスにおいて有能な人材がつぎつぎと輩出されていくことを期待してやみません。また,この講座の運営には,大澤頼人伊藤ハム株式会社法務部長の多大なご尽力があったことをご紹介するとともに,感謝の意を改めて表したいと思います。

ところで,この第25回最終講義において,私も講義をする機会を得て,「今後の企業法務の方向とこれに携わる弁護士のあり方」というテーマでお話をしてきました。その内容としては,まず日本における企業法務の流れを,コーポレートガバナンス(企業統治)の強化,特に内部統制システムの整備の進捗とCSR(企業の社会的責任)経営への転換の観点から述べました。そして,この度の大震災に際しての日本企業の秩序だった行動は,内部統制システムの整備やCSR経営の効果であるとの見方を紹介しました(拙稿「内部統制・BCP・CSRの観点からみた震災対応」NBL950号6頁)。最後に,今後の企業法務に携わる弁護士の役割についての私見を述べたうえ,中国においても,企業が健全に存続するためには内部統制システム(特に,コンプライアンスリスク管理体制)の整備が重要であり,さらに,企業が社会とともに持続的に存在するためにはCSR経営を進める必要があること,そして,これらの推進にもっとも適切な資格と能力を有するものは弁護士であることを指摘して,学生諸君には,これらの職責を全うできるような弁護士になってくれることを期待する旨を述べて講義を終了しました。

講義終了後,同大学法学院から両法律事務所に対し感謝の意を記載した楯の贈呈がありました。

当事務所も,これらの活動を通じて,上海交通大学の先生方や日本の企業の法務関係者の方々と交流することができ,その結果,大きなものを得ることができたと思います。今後とも,微力ではありますが,何らかの形で同様の貢献をしていきたいと思っています。

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