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事業再生の光と影

H22.2.2 西川 精一

タスクフォースだの,事業再生ADRだのを経て,結局,企業再生支援機構をスポンサーとする会社更生手続開始申立に落ち着いたJALですが,この例をひくまでもなく,昨今は,民事再生や会社更生などの法的整理だけでなく,事業再生ADRなどの私的整理による事業再生の手段が様々に唱えられ,本屋に行けば,その手の雑誌や書籍があふれています。

たとえば,いわゆる第二会社方式というもの。これは,優良な事業部門や資産を,事業譲渡または会社分割によって別法人(第二会社)に切り出して事業継続を図り,不採算部門や過剰債務が残った旧会社を特別清算等によって清算するという再生手法で,昨年の産活法改正において,第二会社方式による再生計画の認定制度なるものも登場し,ますます利用に拍車がかかっています。

 従来型の事業再生といえば民事再生であり,これによる再生計画認可の場合,債務の一部免除によって免除益課税が発生するため,再生しようとする会社は,その対策に呻吟してきたのですが,この第二会社方式では,旧会社は清算してしまうため,免除益課税という問題が発生しません。しかも,法的整理である民事再生は,債務免除の割合は平等とするのが原則ですが,私的整理である第二会社方式では,どの債務をどの程度,第二会社が引き継ぐかについて任意に定めることができます。

このように,第二会社方式というものは,債務者にとってみれば夢のような手法ですが,債権者にとってはどうでしょうか。第二会社方式と一口に言っても,その内容は様々であり,債権者と充分調整のうえ行われる場合と,債権者には何も知らせずに行われる場合があります。前者であれば特に問題はないのですが,後者の場合(そんなことができるのかと思われるかもしれませんが,できてしまうのです),債権者は不測の損害を被ることになりかねません。

当事務所にも,昨年以降,このような事業再生手法についてのご相談を4〜5件いただき,対応しているところです。顧問先の皆様におかれましても,取引先がいきなり別会社を作って…,などという事態になりましたら,お早めに当事務所までご相談ください。

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